手作業による木型製作
1927年から続く
職人の手による木型製作
約95年以上前から受け継いできた伝統の技術力を活かし、高品質の鋳造用木型を製作しています。技術力はもちろんのこと、木材の性質についての知見が豊富なので、軽量化と耐久性の高さを兼ね備えた木型製作が可能です。広い工場を有していることから、大型の製作物を得意としており、中でも曲面・螺旋形状の加工を得意としています。小型の製作物にも対応しており、マシニング加工との連携も行っていますので、お客様のご要望に幅広くお応えいたします。
木材の性質を熟知したうえで
3次元的に組み合わせる技術力
木型職人の最大の特徴は、平面ではなく、立体的に木材を組み立てる技術があることです。そして、できるだけ軽くて強い木型を製作するために、木の性質を深く理解しており、木の面裏、反り方などを考えて木材を組み上げていきます。当社には経験豊富な職人が多く在籍しており、常に最高のモノづくりに取り組むため、その技術力を磨き続けています。
この手で
職人の技術を言葉で表現することは難しいですが、すべては、この「手」が物語っているのではないでしょうか。年季の入った、と言ってしまうと職人に失礼かもしれませんが、その年季の入った手からは、モノづくりに対する真摯な姿勢がうかがえます。
手作業に関する質問
-
Q
どのくらいのサイズまで対応可能ですか?
-
A
長さ10メートル以上の製作実績がございます。詳しくはご相談ください。
-
Q
木型製作をお願いしたいのですが、見積もり依頼の流れを教えてください。
-
A
メールやFAXで図面を送っていただき、お見積もりさせていただきます。
お電話での対応もいたしますのでお気軽にご相談ください。 -
Q
納期はどのくらいかかりますか?
-
A
ご希望があれば、お見積もり時に製作日数をご提示いたします。お急ぎの案件などございましたらご相談ください。
木型って
なに?
木型ってなに?
-
身近なところに型がある
「木型」という言葉を、はじめて聞いたという方も多いと思いのではないでしょうか? 実は、世の中に存在するさまざまなモノは、型によってつくられていることが多いんです!みなさんがお持ちのスマートフォンも、型に素材を流し込んで、本体フレームができていたり、ボールペンの本体も、型に素材を流し込んでつくられています。また、たい焼き・たこ焼きなども、型があることであのカタチになっていますよね。そのような視点で、身近なモノを見ていくと、あれもこれもと、型がなければ生み出されることがなかったかもしれないモノが、たくさんあることに気づくのではないでしょうか。モノづくりにおいて、カタチをつくるために必要な「型」の存在は、とても重要なものなんですね。さて、「型」の大切さはご理解いただけたと思いますが、金属でつくられた型や、砂でつくられた型、木でつくられた型など、型にもさまざまな種類があります。井上木型製作所では、名前の通り「木型」を製作しています。その「木型」を知っていただく前に、鋳造(ちゅうぞう)という言葉から説明させてください。
-
鋳造用木型とは
私たちが取り扱う木型は、主に「鋳造用木型(ちゅうぞうようきがた)」と呼ばれるものです。鋳造とは、つくりたいモノと同じカタチの空洞を持つ型に、溶かした金属を流し込み、それを冷やし固めて製品をつくる方法のことです。鋳造を身近なことで例えると、チョコレートづくりに似ています。
このように、溶かした金属を型に流し込み、冷やし固める方法でつくられた金属製の製品のことを、鋳物(いもの)と呼びます。そして、この「鋳物(いもの)」をつくるときに必要な、金属を流し込む型のことを、「鋳型(いがた)」と言います。この「鋳型(いがた)」をつくるときに、木型が必要なんです。
-
鋳造用木型
先ほどご説明したように、鋳物をつくるときに必要な型のことを、鋳型といいます。この鋳型の素材には様々な種類があり、紀元前4000年頃から行われているのが、砂を用いてつくられた「砂型」と呼ばれるものです。そして、その砂型をつくるときに必要なのが「木型」です。木型とは、鋳型(=砂型)をつくるときに用いる製品模型のことです。古くは木を用いていたことから、その名残りで「木型」と呼ばれていますが、現在でも木で製作することはあるものの、発泡スチロールや混合樹脂など、その他の素材でつくられることも多くなってきました。発泡スチロールなどの素材でつくる木型については、「NCマシニング加工ってなに?」で解説しています。
-
どうやってつくるの?
まずは、どんなモノをつくりたいかを考えていきます。この段階ではまだ、つくりたいモノはイメージの中にしかなく、この世に存在していない状態です。次に、つくりたいモノの最終イメージが固まったら、設計図に落とし込んでいきます。その設計図を私たちが受け取り、それをどうやってカタチにしていくかを考えていきます。どのような素材でつくるのか、どのように素材を組み合わせていけば、砂型がつくりやすいのかなどを考えながら、設計図をもとに、はじめてカタチにしていく作業をしていく訳です。つくりたいモノの設計図から、木材などの素材で、模型をつくっていくイメージです。この模型のことを、木型と呼びます。完成形の設計図を受け取り、完成形と同じカタチをした模型をつくるまでが、私たちのお仕事です。ここからは、鋳物屋さんにバトンタッチします。その木型を用いて、砂型をつくっていきます。特殊な砂に、先ほどの木型を埋め込むことで、砂に木型のカタチが転写されます。中に入れた木型を取り出してできたものが、砂型です。この砂型に、高温で溶かした金属を流し込み、冷やし固めて取り出せば、完成です。この方法でつくられた完成形のことを、鋳物と呼びます。
-
どんな技術が必要か
設計図の状態から、製品模型である木型をつくり、そこから砂型をつくり、その砂型に金属を流し込んでできたものが、鋳物と呼ばれるものです。
完成するまでにこれだけの工程があり、木型づくりは、その中のひと工程でしかありませんが、設計図の状態からはじめてカタチにする、とても重要な役割を担っています。
木型職人は、長年の経験から「木材の性質」や「砂型をつくりやすい木型づくり」などについて熟知しており、どうやったら、時間が経っても木材が反りにくく、強度の高い木型になるかを計算して木材を組み合わせたり、どうやったら、砂型をつくるときに、砂から木型をとり出しやすいかなどを計算してカタチをつくっていったりなど、長年受け継がれてきた職人の技を駆使して、木型を1つ1つていねいに製作しています。
近年では、NCマシニングシステムを用いた木型製作が増えてきていますが、まだまだマシンにはできないことも多く、木型職人にしかできない作業があります。マシンを用いる事による効率化も重要ですが、お客様の理想通りのモノづくりに貢献するために、木型職人とマシンの共存をはかりながら、完璧な製品をお届けし続けていきます。